WEST TOKYO 仕事図鑑 VOL.06 木地師

○木材の魔術師

ぽってりとした頭と愛らしい顔、そして一見するとどうやってはめたのかわからない首輪が特徴の「東京こけし」。今や多摩の人気工芸品のひとつのこの人形たちは、八王子に住む大蔵國宜さん・昌子さん二人の夫婦の手によってつくられています。國宜さんは木地師(特殊なろくろを用いて木を削り出す職人)の五代目。戦後の時代には八王子の繊維産業を支える織り機の木製部品などをつくっていました。
時代は移り変わり八王子の繊維産業は斜陽に。しかし一方で、どんな要望の形にも削り出せてしまう國宜さんの技術は口コミで広まり、今や木材細工の何でも屋さん。東京こけしはオリジナリティある自身の商品を、と夫婦で話し合い考案したそうです。削るのは國宜さん、絵付けは昌子さんという夫婦の共同作業。最大の特徴は首の輪(通称ハピネスリング)を含め全て一本の木材から一度に削り出してしまうところ。
「どうやってつくるんですか?ってよく聞かれるから、水に浸しとくと輪っかが広がってポンッ、とはまるんです。なんてね。意外とみんな信じるんだよな」人形たちを手に、國宜さんは悪戯っぽく笑いました。















文・写真/松岡真吾

つちもちしんじ
1979年生まれ東京都出身。漫画イラストレーター。古典的マンガ、浮世絵、絵画、ポップアート、ポップソングなどから刺激を受けながら漫画やイラストを製作。東京の下町の風景を切り取ったweb連載「下町百景」シリーズが国内外から大きな反響を呼び、2016年に「東京下町百景」として書籍化。普遍的なノスタルジーを含みながらも独自のフィルターを通して紡がれる世界観は唯一無二の奥行きを持つ。
tsuchimochishinji.com
twitter:@wabisabipop

大蔵木工所
八王子市元横山町3-12-3
JR八王子駅徒歩16分
0426-22-2978
日曜休み
8:00〜18:00

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