WEST TOKYO 仕事図鑑 VOL.03 鍾乳洞守り人


◯祖父母から受け継いだ鍾乳洞

武蔵五日市駅からバスに揺られて着いた大岳山麓。1961年にこの場所で最初に鍾乳洞を発見したのは現在の守り人である田中嘉伸さんのお祖父さん。翌年の1962年からは観光資源として一般開放され、以来田中さんのお祖父さんとお祖母さんが守り人を担ってきました。田中さんは物心ついた頃から受付を手伝ったり、友達と鍾乳洞を駆け回ったりして遊んでいたそうです。名物看板娘として半世紀にわたり鍾乳洞を守り続けた祖父母のユキさんが100歳で大往生したのが2016年。その後は孫の嘉伸さんがそれまで勤めていた会社を退社し、夫婦で守り人を受け継ぎました。奥さまの友美さんは嘉伸さんの中学の同級生、友美さんにとってもこの鍾乳洞は幼少から馴染み深いものだったと言います。鐘乳石や石筍が良好な保存状態で多数見られる全長約300メートルのこの鍾乳洞は学術的にも貴重なため、都の天然記念物に指定されています。「おばあちゃん子でしたからね」と話す嘉伸さん、当たり前でもあり特別なこの場所とその思い出を、今は夫婦で守り続けています。

 

【Photo Gallery】

文・写真/松岡真吾

つちもちしんじ

1979年生まれ東京都出身。漫画イラストレーター。古典的マンガ、浮世絵、絵画、ポップアート、ポップソングなどから刺激を受けながら漫画やイラストを製作。東京の下町の風景を切り取ったweb連載「下町百景」シリーズが国内外から大きな反響を呼び、2016年に「東京下町百景」として書籍化。普遍的なノスタルジーを含みながらも独自のフィルターを通して紡がれる世界観は唯一無二の奥行きを持つ。
tsuchimochishinji.com
twitter:@wabisabipop

大岳鍾乳洞
9:00〜17:00/不定休/あきる野市養沢1587/JR五日市線武蔵五日市駅からバスで「大岳鍾乳洞入口」下車、徒歩25分/042-596-4201

Share
Share
Share