国分寺名物、トトロみたいな木。


私はジブリアニメとともに成長してきた第一世代だ。というと大げさだけど、小1の時に「となりのトトロ」が公開されて、小2の時に「魔女の宅急便」、小4の時に映画館で見た「おもひでぽろぽろ」の主人公タエコは小5の設定だったし、中2の時公開された「耳をすませば」の主人公雫も中3だった。
公開当時いつも同世代が主人公だったゆえに、思いっきり感情移入してジブリの世界にとっぷり浸かって大きくなった気がする。そしてそういう子達がまわりにもわんさかいた。そんな平和な幼少期をすくすくと通過し、時は流れて30代になった私は多摩地域に転職。仕事で国分寺をぐるぐる回っていたある日、突如目の前に現れたのがこちらの木。

一度見たら忘れられない大きさ(!)。車から何度も振り返り、この植木に出会えた嬉しさに胸が高鳴った。地元国分寺では、密かにトトロの木と呼ばれているらしい。3年ごしでずーっと気になっていたこちらの木。今回、所有者で造園・エクステリア事業を手掛ける株式会社すざきの代表取締役、田中信行さんに伺ってみた。

「これは、20数年前につくられたものです。種類は、エレガンテシマ(庭木などによく使われる)で、はじめ何本か列植してたものがぐるっとけやきの木を囲んでいったんですよ。そこから(初代で会長の)父が整えたみたいです」
中心にある大—きなけやきの木は、市の保存樹木。どっしりと軸を担っている。

「父も私も、なるべく人を楽しませるような庭づくりをと、この仕事をしてまして。世の中に人を和ませるものがいっぱいあるといいな、と思って。そんな気持ちから生まれたものですね」と信行さん。

後ろ姿。まるっとしていて、オバQっぽくもある。逆に抱きしめたくなる包容力。目線の先にあるのは、国分寺第二小学校。トトロみたいなこの木は、いつもけなげに校舎を見守っている。

キュッと綺麗に切り揃えられているしっぽ。

「あるとき、私がちょっと口を新しい形につくり変えたんですよね。そしたら近所の子どもたちから、こわいから前のに戻してって声があがって元に戻したこともありました(笑)。人気ものですね、この木は。目はもうちょっと大きくしたいですけど」信行さんは、嬉しそうに笑った。

取材・文/三森奈緒子

株式会社すざき

国分寺市富士本2-31-5
042-573-0062

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