ゆるりと。きょうは銭湯の日。〜昭和湯〜

やってきました、昭島は昭和湯。以前、2代目店主・宮前修さんにお会いしたことはあったのですが、今日は純粋に一風呂を浴びに。昭島の水は、深層地下水を使用しているため、銭湯の「肌当たりがよい」という噂も。その真偽も確かめたいところです。

さて、昭和36年の開業当時からのトレードマーク、堂々たる煙突が見えてきました。

この煙突は、銭湯用ではなく、もともとこの地にあった工場の煙突。だから他の銭湯にあるものよりも太いのだそう。空高く伸びる煙突構えに惚れ惚れ。

中に入ろうとしたとこと、ちょうど休憩中のご主人・修さんと遭遇。「ゆっくり浸かっておいで」と、大らかな笑顔。傍らには、看板猫のクロちゃんも。

「クロも歳をとったなあ」と修さん。ついつい目がいってしまうのが、修さんのかわいいハチマキ(今日はパンダ柄)。

約15年前にボイラー室にうずくまっていたクロちゃんは、ご飯をあげているうち、いつの間にやら住み着いていた愛らしい看板猫。お客さんにも大人気です。低い鳴き声と眠たげな目に、わしっと心を掴まれます。
修さんとクロちゃん、言葉なくとも通じるものがあるのでしょうか。なんとなく醸し出される雰囲気が似ている気がします。

「撫でてもいいよ。少しならね」という表情(多分)。

昭和湯は、市内で唯一、薪で火をおこしています。夏はとにかく熱い。夏でなくとも熱い。この薪をくべる作業は修さんが担当しているそう。だからハチマキが欠かせないのですね。お仕事ぶりに脱帽です。

店の横には大量の薪がストックされています。

後ろ髪を引かれつつ、修さんとクロちゃんに別れを告げ、いざ、暖簾をくぐります。カウンターには、修さんのお母さん・節子さんが。この道50年ということで、常連さんたちとの会話も軽快。

「ゆっくりしていってね」
節子さんのハリのある声を背中に受け、がやがやと賑やかな浴場へ。

訪問日は、ちょうどシルバーデーということで、人生の先輩方たちの熱いトークが繰り広げられていました。シックなモザイクタイルを眺めながら、ぶくぶくと泡の振動に揺られます。

湯に浸かりながら交わされる会話は健康のこと、お金のこと、家族のこと…悩ましいお題にも思えますが、なぜだか笑い声が弾ける、弾ける。浴場に響く朗らかな笑い声が、湯浴みをいっそう心地よくさせてくれます。

そして深層地下水の力でしょうか。たしかに、肌がしっとりしてきたような気がします。湯が柔らかい、という感じ。

こちらの岩風呂もおすすめ。絶妙なこぢんまり感。同じ風呂に浸かった間柄、自然と会話が生まれてきます。

まだまだ聞こえてくる笑い声に耳を澄ましつつ、湯上がりには、やはりこちらを。

湯上りには牛乳が一番。のどごしがたまりません。

コーヒー牛乳も人気。修さんの知り合いが焙煎した珈琲を使用している、こだわりの味です。

待合室のソファでまったりしていると、目があったのは、もう1匹のクロちゃん(ぬいぐるみver.)。クロちゃんに向けられる、修さんのひたむきな愛情を感じます。再訪を胸の内で誓いつつ、牛乳をくいと飲みほしました。

文・写真/佐藤琴音

昭和湯

昭島市玉川町4-3-7
JR青梅線東中神駅徒歩5分
042-541-3122
月休
15:00〜23:00(日8:00〜11:30、15:00〜23:00)

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