奥高尾・天空の茶屋でビールとなめこ汁を

仕事の関係で11月某日、ひとりぼっちで高尾山に登った。
高尾山に登るのは初めてではない。5、6年ほど前だろうか、学生の頃に一度友人と登っている。
ゆえに新鮮さはなく、「なんとなくこんな感じだったなぁ」というボンヤリ低温のノスタルジックに浸りながら黙々と歩く。アウトドアをストイックに楽しむ性格でもないので、もちろんリフトでショートカットである。

しかし、そんなモチベーションの登山であったが、山頂の奥地にて最高の茶屋に出会うことができた。

 

高尾山頂は平日だというのに結構な人だかり。外国人観光客やご高齢のご夫婦、時間と活力を持て余した大学生グループなどが多く目につく。道中にも山頂にも良さげな食事処や茶屋が点在しているのだが、いかんせん人が多い。何が悪いというわけでもないが、入店するには微妙に決定打に欠ける。そこそこ疲れているし、のびのびとした環境で自分を労わってあげたい。

 

15分ほど思案したのち、「これより奥高尾」と標識のある鬱蒼とした小仏方面に進んでみることに。薬王院近辺の整備された登山道とは違い、この辺りから一気に登山としての玄人感が増してくる。アップダウンもかなりある。高尾山頂までは、登山と言うより近所のイオンに行くような風体の一見登山者がちらほら見受けられたが、それより奥となるとそれなりに熟練登山者といった風格の人々が多い。なんだか装備もしっかりしている。一方こちらは無印のパーカーにナイキのスニーカーというイオン野郎だ。少し恥ずかしい。

 

高尾山頂から一時間ほど歩いた頃だろうか、ハタハタとはためく赤いのぼりを坂の上に発見。坂を登りきると視界が開け、だだっ広い平地の奥にぽつねんと一軒の茶屋。「城山茶屋」という看板が掲げられている。近づくと店内には食堂のような厨房があり、優しそうなお母さんと息子さんだろうか、親子二人で切り盛りされてるご様子。名物らしきなめこ汁と味噌田楽、あと缶ビールを注文。オマケで付いてくるちっちゃい柿ピーが嬉しい。慣れない登山で疲れきった身体にキンと冷えたビールと、独特のとろみがある醤油仕立てのなめこ汁は言わずもがな最高。高尾山頂で妥協しなかった自分を褒めたい。

 

ここは標高670メートルの城山、高尾山から景信山や陣馬山に縦走するハイカーにとっては貴重な休憩スポットだという。このお店は70年以上続く老舗、この店をひとつの目標にやってくる登山客も少なくないとのこと。なめこ汁と、夏期には特大かき氷も出て、こちらも名物。整備された広い敷地は椅子やテーブルが多く、一人でのびのびと休憩できるのも良い。周りにちらほらいる他の登山客も思い思いにぼーっと山の向こうなどを眺めている。居心地よく長居したい気分だったっが、微妙に日も暮れかかり、イオン・スタイルで夜の下山は素人考えでも危険な気がしたので早めに下山。行きと同じくリフトに揺られ帰路に着いた。

城山茶屋

八王子市裏高尾町1885-2
高尾山ケーブルカー高尾山駅徒歩約2時間(個人差あり)
042-665-4933
9:00~17:00、冬季9:00~15:30
悪天候時は休み

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