台風一過の珍景・小河内ダム放流瀑布


嫌な連日の雨が過ぎ去り気持ちの良い秋晴れが広がった10月の某日、
別件仕事の取材で奥多摩のシカ肉を使った定食が食べられる食堂「丹下堂」にお邪魔した。
奥多摩の山で狩猟されるシカ、現在も20人ほどの猟師が奥多摩には存在している。
狩猟したら2時間以内に解体しなければ食用にできないシカ肉は狩ることができる場所と
タイミングが限られるため、どこでも気軽に食べられるものではない。
このお店は昔からの猟師との繋がりで新鮮なシカ肉定食が食べられる、東京では
数少ない食堂だ。
この日は運良くシカ肉が入荷されていたため、名物のシカ肉定食をいただいた。
歯ごたえがありつつも臭みはなく、鉄板に溢れた肉汁が芯まで染み込んでいて旨い。
ちなみにこの食堂は奥多摩湖底から湧き出る鶴の湯温泉を使用した日帰り入浴も可能だ。

食事をしながら店主のお母さんと雑談している際、
「ダム、見にいった?今日はダム見ないと」と言われた。
なんでも、奥多摩湖と多摩川の堺となる小河内ダムが今日は数年に一度の放流日だという。
明確に周期や時期が決まっているイベントではなく、特に大々的な告知もない。
なので見ることができるのは稀だとのこと。
それはせっかくなら見てみたいですね、とのことで勘定を済ませた後、ダム方面に歩いていく。
20分ほどでダム周辺についたが、放流スポットがどこかいまいち分からず周辺をうろつく。
ダムを展望台から見下ろすと、遠くに車やバイクで乗り付けている人だかりが見えたので、そちらに
移動してみるとやはりそこがダム放流の撮影スポットであった。
知る人ぞ知るイベントなのか、本格的なカメラを構える人もちらほら見える。
豪快に大量の水を吐き出す放流はダムというより滝の瀑布を思わせる迫力であった。

後で調べたら今回の放流は連日続いた雨や台風の影響らしい。
多分あらかじめ知っていたとしても電車とバスを乗り継いでわざわざ見にくることは
個人的にはないが、たまたま見られたにしては貴重な景色だった。
少し得した気分である。

文・写真/松岡真吾

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