東京団地ノスタルジア #1 町田山崎団地名店街


 
一度も訪れたことがない、もちろん住んだこともない。
それでも不思議と懐かしさを感じてしまう場所、というのは誰にでもあるんじゃないだろうか。

僕の場合は「団地」が懐かしい。
そもそも団地に住んだこともなければ東京育ちでもない。
なのに、東京郊外の団地とそこを行き交う人々の姿に妙なセンチメンタルすらも感じてしまう。

だからなんだと言われたらそれまでだが、見ず知らずの団地を歩いていてウムッと感じる風景があるとカメラのシャッターを切ってしまう自分がいる。そしてそれをアーカイヴして並べてみて、「あぁ、なんか知らんけど懐かしいなぁ」としんみりする。
そんな「思い出不在」のノスタルジックさを積極的に愛でようと思う。

今回は「町田山崎団地名店街」。町田駅からはバスを使わないと少し遠く、団地の中に地元住民色の強い商店が区画されて立ち並ぶ。最盛期には人口1万人を超えるマンモス団地だったが少子高齢化の影響だろうか、今や活気に溢れているとは言い難い。だが、歴史ある郊外団地特有の「コンクリートの原風景」がそこには色濃く残っている。

妙にだだっ広い空間と道、それに相反するように番号的に隣接する商店と住宅。
行き交う人々はお互いを知ってるようにも見えるし、他人同士にも見える。
強く繋がってるようにも見えるし、適度な距離感を保っているようにも見える。

そういった摑みどころのない乾いた密度に、微かな郷愁を感じるのかもしれない。

写真・文/松岡真吾

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